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<経済対話>日本側報告
小島明氏(日本経済研究センター特別顧問):
第1回フォーラムから参加していますが、この分野の対話は大きく変化しつつあります。まず第1回のテーマは「日中関係の危機」でしたが、今は世界の危機です。世界第2位、3位の国としての責任については共通に認識しています。特に日中の役割については、今回の危機が構造的な問題を原因として引き起こされたものであるということもあり、変化というよりは転換の時期にあるように思います。経済の成長モデルの再構築が求められています。たとえば環境重視、格差の是正、保護主義の抑制、日中韓のFTAなど、それから中国側からは「生存の経済から発展の経済へ変わり始めた」とのご意見もありました。
市場経済のあり方はその国において、あるいは世界との関係において変わっていきますが、いかに健全な市場経済をつくり、活力につなげていくかが重要です。
為替についてはかなり温度差がありました。日本としては、より柔軟な為替にすべきではないか、それから日本の失敗からも学んでほしいとの意向を申し上げました。
<メディア対話>日本側報告
木村伊量氏(朝日新聞ゼネラルマネジャー兼東京本社編集局長):
去年のメディア分科会は毒入りギョーザににジャックされてしまいましたが、今年はマクロな議論が行われました。世論調査も5年続けたことでいろいろなことが明らかになってきました。日本側には「もどかしさ」があります。対日感情が劇的に上向くことはない、そこには決定的な交流の不足があるのではないか。中国が過去にこだわっているという問題があるのではないか。そこで松本総領事からは「世論調査結果には疑いがある。日本は、中国が過去に縛られている、という考えに縛られているのではないか」とのご指摘がありました。親日的な雰囲気の中で過ごされた経験からのご意見だったと思います。
中国メディアについては国家の権力からいかに自由になれるかという視点だけでなく、資本からいかに自由になるかという視点もあります。この意味で双方のメディアは近づきつつあります。これまで中国メディアは「「権力の代弁者に過ぎない」と単純に見られてきましたが、この5年で大きな変化がありました。インターネットの利用人口が1億くらいから約3億へと拡大しています。高原先生が「未来イメージング」とおっしゃっていましたが、これをキーワードに来年も議論したいと思います。
<地方対話>日本側報告
山田啓二氏(京都府知事):
感想を申し上げます。ある意味この対話がもっとも成果を出しやすいし、出せる対話なのではないかと思います。すでに現実的、具体的な取り組みが見られるからです。四川大地震の際も、地方の自治体が支援に行きました。地方対話というのは日中対話のショーケースであると思います。問題をしぼって知識や経験を活かせるようにしたいです。
今回は都市の発展について議論が行われました。日本からは経験を、中国からは活力を、それぞれ分かち合うことが重要なのではないかということでした。すでに、都市を管理するという段階にきています。日中の互恵時代のための大交流は地域から、地方からもたらされるべきで、それが東アジア共同体形成の鍵となるということで、まとめさせていただきます。
国分良成氏(慶應義塾大学法学部長・教授):
日中はお互いに共通の目標を持つと頑張れる。われわれはフォーラムを重ね、今回で5回目を迎えました。今後はこれをさらに積み上げていく必要があります。次回へのテーマとして、今回「東アジア共同体」についていろいろと議論されたことの感想を述べたいと思います。
たまたま鳩山政権が掲げたということもありますが、注意すべきこともある。日中ともにコンセンサスができていないということです。共同体については多くの議論があります。以下の3点につき、注意が必要だと思います。
1.グローバルな価値と地域の価値の融合をいかに図るか
日本はグローバルなステイタスからリージョナルなステイタスに落ちるのかという議論があります。中国は逆ですが、グローバルな価値です。日中のそれぞれの段階は違いますが、これまで日本はグローバルな価値を求めてきたわけです。その時にリージョナルな価値とどう折り合いをつけていくかが重要です。
2.日中だけでアジア共同体をつくるわけではない
疎遠でも困りますが、日中が仲良くなりすぎて他の国との関係を疎外するようではいけません。どうバランスをとるかが重要です。
3.金融危機の中での内向き傾向をどうするか
共同体の理想を追求するのはいいとして、国内問題にどう向き合うかも重要になってきます。
いずれにしても、どのようにバランスをとっていくかということでしょう。今回もすばらしい会議だったと思います。ありがとうございました。
馬為公氏(中国国際放送局副総編集長):
最後に私から感謝の言葉を。すばらしいスピーチでした。経済・金融の危機の中の日中協力、ということで議論がなされましたが、哲学の観点、グローバルな観点からの議論がなされました。私は中東で働いていた記者だったのですが、明石さんと緒方貞子さんのことがよく記事になっていました。異なる国家・民族の間にいろんな問題があることを忘れてはいけないと実感しました。このフォーラムは大変な成果をもたらしています。10回にとどまらずに続けていただきたいと思います。
国分氏:
それでは、大連宣言に入ります。
工藤泰志(言論NPO代表):
日本と中国との間で合意いたしました。
「大連宣言」を読む
高岸明氏(中国日報社編集委員会委員、事務総長):
フォーラムでは踏み込んだ議論が行われました。お別れの時間となってしまいますが、皆様への感謝と「別れたくない」という、複雑な気持ちでいっぱいです。来賓の皆様、大連市、言論NPOの皆様に感謝を申し上げたいと思います。中日関係の発展に多大な貢献をしてくださいました。同時通訳の方々、ボランティアの方々、すべてのスタッフ、関係者の方々に感謝いたします。
引き続き言論NPOと協力して、中日戦略的互恵関係の発展に寄与してまいります。それでは「第5回 北京‐東京フォーラム」を閉会いたします。
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